新商品や新サービスを開発する時に欠かせないもの

最近、いろんなところで「コンセプト」という言葉を目にします。この言葉自体は特に最近の言葉というわけでもないので、おそらく自分のなかで何か「コンセプト」が気になっているので目につきやすいのでしょう。そんなわけで今回はコンセプトを考えるうえで参考になる本、『コンセプトのつくりかた』の紹介です。

著者の玉樹真一郎氏は、全世界で9500万台を売り上げた任天堂のゲーム機「Wii」の企画担当者。この本では、著者がWiiを開発していくうえで、会社から与えられた命題「次世代ゲーム機を開発せよ」に対して、同僚と一緒にその答えを見つけ出すまでのケースワークが主となっています。

コンセプトをつくる具体的なプロセスで紹介されている手法は、大きなテーブルと付箋紙とA4の紙とペンのみ。コンセプトワークは1人でもできますが、なるべく複数のチームメンバーと行なったほうが良い、とのことです。アイデア創出ですから、やはり仲間と一緒にやったほうがいいですよね。

具体的なコンセプトワークについてですが、それには5つのステップがあるそうです。

1)「すきになるあなた」が悪口を言う
2)「かわるあなた」がズラす質問をなげかける
3)「わかるあなた」が、言葉の星座を作る
4)「できるあなた」のために、物語を作る
5)4つの人格の「影」を乗り越える

…いかがでしょうか?ゲーム開発に携わってきた著者だけに、一つひとつの言葉がファンタジーっぽいです。もしかしたら理論派の方にはこのあたりのテイストが苦手かもしれませんね。

もう少し詳しくみてみましょう。

ステップ1「ライバルを羨ましく思う点、自社の劣っている点、業界への悪口を吐き出し付箋に書く」
ステップ2「ズラす質問を投げかけ、さらに多くの悪口を吐き出させて付箋を増やす」
ステップ3「6つの手順で付箋をグループ化する」
ステップ4「6つの物語化の手順で、仮の物語をまとめあげる」
ステップ5「影(=仮の物語にたいする不安)を乗り越える2つの手順を踏み、物語を20文字程度の言葉にまとめあげ、コンセプトを完成させる」

Wiiを開発する前のゲーム機にたいするイメージは「1人で」「さみしく」「不健康に」「高スペックの」「大作ゲームをする」というものでした。それに対して、著者が行なったWiiのコンセプトワークでは、それらをすべて逆の矢印でつなぎ「大勢で笑いながら健康的で手軽なゲーム」ができるゲーム機」という方向性を見いだします。そして最終的には「お母さんに嫌われないゲーム機」というコンセプトに至るのです。このあたりの意見のぶつかり合いはとても読み応えのあるところでした。

コンセプトのつくりかた
 
 
私も読んでいくうちに、「自分もこの方法で新しいサービスを考えてみよう!」という気になりました。新商品・新サービスを開発したいという方にはお勧めの本です。

 
 
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この記事を書いた人
sonosho

株式会社ラクパ代表取締役。中小企業の顧客づくり支援家。【経歴】プログラマー5年、タウン情報誌編集者15年を経て、2006年に起業。2016年に法人化。主事業はニュースレター作成代行サービス。東証プライム上場企業から個人事業主まで延べ1,149号の制作実績(2024年2月現在)。近年はサイト制作にも注力。

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