プランB、用意していますか?
北京オリンピックもあっという間に終わってしまいました。今大会で私が一番観戦した競技はカーリングでした。予選リーグ、準決勝、そして決勝へと勝ち進んでいく日本代表の活躍ぶりをテレビでご覧になった方もおられるでしょう。私は完全なにわかファンなので、カーリングのルールも十分に理解しているわけではありませんが、それでも面白いと思えるのは、氷上のチェスとも呼ばれるこの競技が持っている戦略性です。
カーリングの試合を見ていると、解説者が「あ、今、プランBに変えましたね」と発することがあります。カーリングでは、ストーンを投げる前に、どのコースにどのくらいの強さで投げるかチーム内で綿密に打ち合わせします。最善のコースをプランA、次善案がプランB、といった具合に、あらかじめ決めておくのです。プランAのコースに投げたとしても、氷の状態によってストーンが思ったように進まないこともあります。そのときは即座にプランBに切り替え、スイープ(ブラシで掃く役)の選手がそのプランに沿った動きをします。ストーンが氷上を滑っていく時間はほんの10数秒程度ですので、その短時間のうちに戦略を変えるかどうかの判断が必要になるわけです。
経営においても、このプランBを用意しておくことは大事なことかもしれません。新事業を立ち上げる場合、プランA、プランBといくつかの策を予め想定しておけば、プランAがうまくいかないと分かったら、すぐにBに切り替えられます。一番良くないのは、思考が停止して動けなくなってしまうことでしょう。
私自身も創業時にいくつかの起業アイデアを用意していました。一番良いアイデアと思ったのは、飲食店等に対してパブリシティ(プレスリリースを作ってマスコミへ発信)を代行するサービスでした。楽々パブリシティサービス、略してラクパです。ところが試験的に始めたところ、まったく上手くいきませんでした。即座にプランBである「ニュースレター作成代行サービス」に切り替えたのです。何が上手くいくかはやってみなければ分かりませんし、その結果が悪ければ次の手を打つしかありませんよね。(正)
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