小さな会社の事例研究家で作家・セミナー講師の栢野克己さんが2016年12月に新刊『小さな会社の稼ぐ技術』を上梓されました。サブタイトルに「竹田式ランチェスター経営「弱者の戦略」の徹底活用法」とあるように竹田式ランチェスターを経営に活かした事業成功例が多数紹介されています。
小さな会社の稼ぐ技術
栢野克己著/竹田陽一監修/豊倉義晴取材・執筆協力/日経BP社発行/1,600円+税/2016年12月9日発売
なかでもケーススタディーとして紹介されている3社については、ランチェスターに取り組む前の失敗まで含めて臨場感たっぷりに描かれていてまるで「プロフェッショナル仕事の流儀」や「カンブリア宮殿」を見ているかのようにリアルに伝わってきます。
特に圧巻なのが、フランチャイズ弁当店を経営する有限会社山田中の岩田社長の事例です。岩田社長は居酒屋、コンビニ、ラーメン店、たこ焼き店と、手がける商売がすべて当たらず、「商売は当てもんやから、当たるまでは失敗してもしかたない」という考え方を持っていました。そんな具合ですから、弁当店の経営も本気では取り組んでおらず、資金繰りも次第に苦しくなっていったのです。そんななかで竹田陽一氏のランチェスター経営を学び始めます。得意客にハガキを出したり、お店のニュースレターを発行したり、宅配エリアを絞り込むといった具合に、ランチェスターで覚えたことを素直に実践していきます。すると売上が少しずつ上っていき、大阪北摂地区で50店舗中10位あたりだったのが、3年後に地区で1位に、そしてその後に大阪府内で1位を取るまでに大躍進したのでした。
ランチェスターで学ぶことはそのほとんどが地味で面倒なことばかりです。
- 商品はライバルと差別化して、ニッチで1位になれるものを選ぶ
- 営業地域は移動時間がかからないように近場重視
- 客層は自社に合った相手のみに絞り、直販する
- 営業はお客に直に接し、アナログで手間のかかる方法を選ぶ
- リピーター客を作るために、ハガキやニュースレターを出す
- 見栄をはらずに軽装備にする
- 早起きして長時間労働をする
…いかがでしょうか? どれも泥臭い方法ですが、実はとても効果のあるものなのです。あなたの会社が中小零細企業もしくは個人事業主ならこの本から学べるものがきっと見つかるはずです。
ちなみに、弊社ラクパのこともちょっとだけ登場していますので、見つけてみてください。
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