注目のEC会社が高収益を上げる秘策を公開。
弊社のクライアントにはネット通販会社が何社もありますので、その業界で勢いのある会社の名前はよく耳にします。なかでも北の達人コーポレーションは、飛び抜けて成長している会社です。
2012年に札幌証券取引所新興市場に上場したのを機に、翌年は同所本則市場上場、翌々年には東証二部上場、翌2015年にはついに東証一部上場を果たしました。4年連続上場は史上初だそうです。凄い勢いですね。こうした企業は売上や規模を実際よりも大きく見せようとしがちなイメージ(私の勝手な推測)ですが、この会社はまったく真逆のアプローチ、つまり利益目標が先にあり、その目標に達する最小の売上目標を立てるという取り組みをしているのだとか。
その北の達人コーポレーションの木下勝寿氏が自社の経営について初めて語った本が、今回紹介する『売上最小化、利益最大化の法則』です。
木下氏によれば、「会社経営で重要なのは、売上目標ではなく、利益目標を設定すること」。同社はネット通販会社なので、広告費をかければかけるほど売上を伸ばすことができますが、それでは会社に利益が残りません。同社では「5段階利益管理」という独自の方法(本書に詳しく書かれてあります)を使い、細かく管理しています。原価だけでなく、各商品ごとに同梱物の制作費、広告費、配送料、ABC(=Activity-Based Costing/各商品ごとの人件費)などすべて数値管理しています。
特に重視しているのがABCで、会社の商品ラインアップのなかで、「手間やコストはかかっていないが、利益の出ている商品」の特徴を分析し、新商品開発に活かしているそうです。
本の最後に「当社が高収益になった秘密はすべてお話しした。出し惜しみは一切ない。あとはあなたがピッパの法則で実践に移すだけである」とあります。「ピッパの法則」とは、ピッと思ったらパッとやる行動習慣のこと。木下氏は自社のクレドに「できることは今すぐやる」「すぐできないことは、いつやるかを今すぐ決める」と法則を記しています。特に後者のほうを徹底することが大事に思えます。(正一郎)
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