
今回は、私が最近読んだ、農学博士・稲垣栄洋氏の著書『雑草という戦略』から、私たち中小企業経営者が生き抜くためのヒントをお伝えしたいと思います。
私たちはよく「雑草のように、踏まれても立ち上がれ」という言葉を根性論として使いがちですが、植物学的に見れば、これは大きな誤解なのだとか。
植物の生存戦略は3通りあるそうです。大木のように競争力で勝負する「競合型」、サボテンのように過酷な環境に耐える「ストレス耐性型」、そして雑草のように変化に適応する「撹乱適応型」。
正しい雑草の戦略は「踏まれたら立ち上がらない」こと。何度も立ち上がるのは、無駄にエネルギーを消費するだけ。それよりも、踏まれたまま地面に張り付いて、花を咲かせて種を残すことに全エネルギーを注ぐ。これが雑草の生き方なのです。
例えば、道端によく生えているオオバコ。葉は柔らかいけれど中に丈夫な筋が通っていて、茎も外側は固く中はスポンジ状。固さと柔らかさを併せ持っています。さらに種子には粘着性があり、人の靴やタイヤにくっついて運ばれていく。したたかで、合理的で、たくましいのです。
この雑草の戦略、私たち中小企業の経営にも通じるものがあると思いませんか?
大企業という大木と真正面から競争しようとすれば、資本力や人材で勝てるはずがありません。でも、雑草のように「本質を見失わない」「柔軟に適応する」「したたかに種を蒔く」ことなら、私たちにもできます。
売上を追って無理な投資で立ち上がろうとするより、顧客との信頼という「種」を着実に蒔いていく。大手ができない細やかなサービスという「粘着性」で、お客様に選ばれ続ける。柔軟性と芯の強さを併せ持つ。
雑草は、誰も見向きもしない場所でも、自分なりの方法で確実に子孫を残しています。私たちもまた、自分たちの強みを活かした戦略で、着実に事業を続けていきたいと思います。

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