このコーナーでは、経営や生き方のヒントとなるような映画を紹介しています。今回は、死が隣り合わせの米軍爆発物処理班の姿を描く『ハート・ロッカー』です。
『ハート・ロッカー』
The Hurt Locker
<あらすじ>イラク戦争中の2004年。バグダッド郊外に駐留するアメリカ軍の爆発物処理班EODで、任務中に殉職者が出る。その後任として中隊のリーダーに就いたのはウィリアム・ジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)だった。彼は基本的な安全対策を行わず、まるで死を恐れないかのように振る舞い、周囲を驚かせる。彼を補佐するサンボーン軍曹とエルドリッジ技術兵は、彼に対して強い戸惑いを感じる。お互いの衝突が生まれるものの、ストレスを発散するように酒を酌み交わし、ジェームズの別の一面も垣間見ることで理解を深め結束していく3人だったが…。
<コメント>自爆テロや地雷といった「見えにくい敵」を相手にすることが、いかに兵士の精神を蝕んでいくか。それを非常な緊張感のなかで描いた骨太の作品です。
冒頭のテロップで「戦争は麻薬だ」という言葉が出てきますが、その意味は映画を観終わる時に理解できます。主人公の行動を見ると「ああ、この人は戦場という緊張感のなかでしか生きられないのだな」と思います。それは戦争ジャンキーと言ってもいいほど。そう考えると、この主人公も被害者なのです。第82回アカデミー賞で『アバター』を抑えて作品賞以下6部門を受賞した秀作です。
- 『ハート・ロッカー』
- 原題:The Hurt Locker
- 監督:キャスリン・ビグロー
- 出演者:ジェレミー・レナーほか
- 上映時間:131分
- 製作国:アメリカ
- 日本公開:2010年3月6日
コメント