イデオロギー対立に巻き込まれた表現者の苦難と信念/映画『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』

このコーナーでは、経営や生き方のヒントとなるような映画を紹介しています。今回は、己の信念と家族の支えによって映画界にその名を残した男の物語『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』です。

映画

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』

Trumbo

<あらすじ>舞台は共産主義排斥活動「赤狩り」の嵐が吹き荒れる1950年代のアメリカ。理不尽な弾圧はハリウッドにもおよび、売れっ子脚本家ダルトン・トランボは議会での証言を拒んだという理由で投獄されてしまう。出所後、家族のもとに戻るトランボだったが、すでにハリウッドでのキャリアを絶たれた彼には仕事がなかった。しかし友人にこっそり脚本を託した『ローマの休日』に続き、偽名で書いた作品『黒い牡牛』でもアカデミー賞に輝いたトランボは、再起への道を力強く歩みだすのだった…。

<コメント>『スパルタカス』『パピヨン』などハリウッド映画のヒット作の脚本をいくつも手掛けてきたダルトン・トランボ。実は多くの作品が偽名で発表されていたということにまず驚きました。当時のアメリカはソ連と冷戦状態にあり、共産主義者をことごとく排除していたのです。執筆にすべての情熱を傾けるトランボ。その仕事ぶりは変人と紙一重。今なら◯◯ハラスメントと言われるかもしれません。それでも彼が魅力的に見えるのは、彼の熱量が画面ごしに伝わってくるからでしょうか。自分の軸をしっかりと持ち、ぶれずに生きる姿は、混沌とした現代にこそ輝いて見えます。

  • 『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』
  • 原題:Trumbo
  • 監督:ジェイ・ローチ
  • 出演者:ダイアン・レイン、ヘレン・ミレンほか
  • 上映時間:124分
  • 製作国:アメリカ
  • 日本公開:2016年7月22日

この記事を書いた人
sonosho

株式会社ラクパ代表取締役。中小企業の顧客づくり支援家。【経歴】プログラマー5年、タウン情報誌編集者15年を経て、2006年に起業。2016年に法人化。主事業はニュースレター作成代行サービス。東証プライム上場企業から個人事業主まで延べ1,149号の制作実績(2024年2月現在)。近年はサイト制作にも注力。

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