
先日、動画配信大手のNetflixが、米メディア大手ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーの主要事業を買収するとのニュースを目にしました。
それで思い出したのが、ブロックバスターの話です。
90年代には9千店舗以上を構えた米国内最大のレンタルビデオチェーンでしたが、2010年、あっけなく経営破綻しました。
理由はいろいろ語られていますが、本質は驚くほどシンプルです。変化の兆しを感じながらも、自社のビジネスモデルを見直す決断ができなかった─そんなところにあったように思います。
ブロックバスターは延滞料が巨額の利益源でした。返却が遅れるほど儲かる仕組みです。そこに現れたのがNetflix。創業当初はオンラインではなく、郵送DVDレンタルサービスでしたが、「延滞料ゼロ・定額制」という新しいモデルを打ち出しました。
ブロックバスターは、延滞料をなくせば目の前の利益が減ってしまうため、この変化を本格的に受け入れられませんでした。その結果、事業変革が遅れ、ストリーミングへの転換も後手に回り──気づけば顧客は雪崩のようにNetflixへ移っていました。
このエピソードは、単なる失敗談だけでなく、私たち中小企業が直面するかもしれない経営の落とし穴でもあります。
私たちも、どこかで同じ判断をしていないでしょうか。
- 今のやり方で現状維持できているから、しばらく様子を見る
- 新しい仕組みを入れると現場が混乱しそうだ
- 技術の変化に合わせてビジネスモデルまで見直すのは大げさに思える
このような”先送り”は、気づかぬうちに未来の選択肢を狭めてしまうことがあります。スマホやAIがいつの間にか当たり前になったように、競争の軸が変われば、これまでの強みがそのまま通用しなくなる場面も出てきます。
だからこそ、時代の変化を眺めるだけでなく、自社の事業構造そのものを時々見直してみることも大切だと感じます。
たとえば、
- 自社の収益の源泉は何か
- その源泉は、環境が変わっても持続するものか
- もし自分が競合だったら、この会社をどう崩すか
こうした視点で棚卸ししてみるだけで、次の一手が違って見えてきます。
ブロックバスターの例は、”変わる勇気”の大切さを教えてくれているようです。
私たち中小零細企業こそ、身軽さを味方に、時流に合わせて事業の形を柔軟に変えていけるのが強みかもしれません。


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