先日ある人から勧められた本が非常に面白かった。営業(特に法人営業)に携わる人にはかなりお勧めできる本です。
営業の「聴く技術」 新版―SPIN「4つの質問」「3つの説明」
- 自分が話すのではなく、質問をすることに徹し、顧客にとにかく話させる。
- 顧客は営業マンの質問に答えながら、自分が話した言葉を自分で耳にした時に、初めてニーズが顕在化し、目の前の商品が欲しいことに気付く
- ただ質問すればよいのでなく、次の4つの質問の順に聴く
- 状況質問(Situation)
- 問題質問(Problem)
- 示唆質問(Implication)
- 解決質問(Need pay)
状況質問とは、「買い手の現状・環境についての客観的事実を聞く質問」ですが、ここで、「創業は何年になられるのですか?」とか「中核事業は何ですか」といったような、訪問先のホームページを見たら分かるような質問は、されるほうもウンザリするので、例えば「御社のホームページには、○○と書かれてありましたが、その○○は…」といったような、切り込んだ質問が必要。
問題質問とは、「買い手の不完全な状況(問題・障害)や不満を聞く質問」を指します。「先生、ご使用の投与薬の副作用についてどうお考えですか」「ネットワークの専任管理者はいないとのことですが、どのように対応されてますか」など、コンサルティング営業とよばれるものは、この問題質問のレベルが高いものです。
示唆質問とは、ニーズ顕在化の第一ステップ。目的は「思ったよりも大きな問題であることに目を向け、このまま問題を放置しておくと大きなトラブルになる」ということに気付いてもらうことにあります。「先生、副作用が心配とおっしゃいましたが、副作用は患者さんに大きな負担となるでしょうね」「ネットワークの専任担当者がいないとのことですが、それは情報システム部の皆さんの負荷を高めてませんか?」など。この質問は、聞き方によっては非常に失礼な印象を与えてしまうので、それまでの「状況質問」「問題質問」で相手との信頼関係が出来てからでないと相手から脅されているように感じます。
解決質問は次の3つのタイプがあります。
- 問題解決によって、得られる買い手のより大きな付加価値に気付かせる。
- 買い手の潜在ニーズを繰り返し、その内容を確認する。
- 顕在ニーズを、買い手自ら表明してもらい、その内容や重要性を明確化する。
など。ポイントは営業マンが解決策を語ってはいけないこと。結局、営業マンが話した言葉など、相手にはほとんど記憶として残らないので、相手が自ら気付くことが重要だということです。このあたりはコーチングと同じですね。
営業では、自分が話すのでなく、
的確な質問を投げかけ相手に話してもらう。
「人は自分の言葉に説得される」
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