このコーナーでは、株式会社ラクパのライター・城戸あづさが、心に留めておきたい言葉とのエピソードを綴ります。

「他人様(ひとさま)から与えられたイメージは意外と大事」
─桑田佳祐
最新アルバムもオリコン1位を獲得したサザンオールスターズ。47年間、第一線で活躍し続ける理由を問われた桑田さんは「運が良かった」と笑い、冒頭の言葉を述べました。
サザンのデビュー当時、ニューミュージックのアーティストはテレビに出ないのがステイタスでした。でも、サザンは生放送番組で『勝手にシンドバッド』を披露し、短パン姿で叫ぶヤンチャな桑田さんは、注目の人となりました。
そんなデビューで軽薄なイメージが定着し「僕らは本流のミュージシャンにはなり得ない」と悟ったのだそう。それならそれで、本流とは別のやり方で音楽を楽しもうと、幅広いジャンルの楽曲制作に挑戦し続けたことが、サザンを唯一無二のバンドに成長させたのでした。
重みやカリスマ性といった足枷がなかったから、荒唐無稽なことができたという桑田さん。
自分たちについたイメージが嫌だった時期もあったそうですが、「古希にならんとする我々が、未だに〝学生バンドっぽいね〟と言われるのは有り難いこと」という言葉に、取り組んできた音楽への自信と、人間としての懐の深さを感じます。
他人が自分に抱くイメージって気になるし、時に否定したくなるけど、抗わずに自分にできることを提供し続けよう。いつか、他人が私に抱くイメージを「有り難い」と思えるように。(あづさ)
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