このコーナーでは、株式会社ラクパのライター・城戸あづさが、心に留めておきたい言葉とのエピソードを綴ります。

「ゴールではなく、スタートに向かって生きる。」
─小林弘幸著『リセットの習慣』
小林弘幸さんは順天堂大学医学部教授で自律神経研究の第一人者です。小林先生は、常に”今から何ができるか”と考えて生きることが大切だと言います。寿命があと10年でも3カ月でも、今からスタートを切るのだと。
年明けから実家の断捨離に精を出しています。築150年を超える木造家屋に、現在は母が一人で暮らしていますが、祖父母と父とご先祖の物が未だにありました。ずっと後回しにしてきた面倒事だったのですが、一念発起して始めると、予想外の心境に…。
古い引き出しの中には、故人の生活が眠っていました。祖父が収集していたマッチ、祖母が貯めていた毛糸、父の軟膏や飼い犬の薬まで…笑。時が止まっていた彼らの日常を呼び起こし、「ちゃんと見届けたよ」と呟いて引き出しを空にすると、不思議と祖父母も父も喜んでくれているような感覚になります。あの世で次のスタートを切れたんじゃないかと、物を捨てながら供養しているような心持ちになるのです。
3月は別れの季節。大好きな人たちと離れるのは寂しいけれど、各々が次のスタートに向かって生きるほうが、長く良い関係を築けるかもしれません。
この春旅立つ皆さん、『リセットの習慣』お勧めです。(あづさ)
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