サナギの意識では蝶にはなれない。
先日、福岡市東倫理法人会主催のモーニングセミナーにゲスト参加してきました。この日の講話は、株式会社ジャパンシーフーズの井上幸一会長。アジ・サバの生食加工品分野で国内No.1のジャパンシーフーズは、ランチェスター経営の実践企業としても知られています。私は以前から井上会長のお話を聞いてみたいと思っていたので、朝6時からのセミナーにも関わらず、参加した次第(早起きは非常に苦手…)です。
1986年、30代後半で、父の営む鮮魚店から独立した井上氏。創業して3年間は非常に苦労したそうですが、それでも10年目には売上12億になりました。
ところが、年商300億の大手が参入したことにより、一気に窮地に立たされます。そこで出会ったのがランチェスター経営です。
そして自分が実践していたのは強者の戦略であり、「弱者は、特定の分野でナンバーワンになることが大事」だと学びます。3年間ランチェスターを学び、まず「アジの生食加工品で、九州で一番になる」ことを目指します。その後、「ニッチな市場を開拓した独自路線の会社」として注目を浴びるようになり、業界では「アジといえばジャパンシーフーズ」と言われるまでに成長しました。
講話のなかで「人は蛹(さなぎ)の状態で一生懸命に努力している。でも、それでは大きな蛹になることはできても、蝶になることはできない」という一節がありました。私はこの意味が分からず、講話後の朝食会で井上会長に直接尋ねてみました。そこで教えて頂いたのが天外伺朗(てんげしろう)著『運命のシナリオ』です。
天外伺朗は、元ソニーの上席常務で工学博士の土井利忠(どいとしただ)氏のペンネーム。CDやAIBOの開発に携わった方です。著作のなかでは「蛹が蝶になるというプロセスはいわば宇宙のシナリオ。そこで大切なのは、目標に向かって努力することでなく、宇宙の流れに乗ること」だと解説しています。一度読んだだけでは理解しづらい本です。天外氏も「本書では、必ずしも科学的な裏付けのないストーリーを展開します。そろそろ科学の呪縛を離れて、宇宙の実態に迫りたいと思っています」と書いています。
モーニングセミナー、そしてこの本と、ふだんと違う世界に触れて、良い刺激を受けました。大きな蛹でなく、小さくても蝶になる意識でいようと思います。
井上会長の講演中の写真は、深見経営株式会社の深見信吾様よりご提供いただきました。深見様、ありがとうございました!。今回私が参加した福岡市東倫理法人会では、毎週月曜朝6時よりモーニングセミナーを開催しています。くわしくはこちら。
弊社ニュースレター「らくぱのぱ第216号(2024年7月15発行」のなかで、天外伺朗(てんげしろう)氏のふりがなを間違えていました。お詫びして訂正いたします。
コメント