「自分の心を豊かにするための競技生活であってほしい。」

このコーナーでは、株式会社ラクパのライター・城戸あづさが、心に留めておきたい言葉とのエピソードを綴ります。

スイミング
↑2大会連続銅メダル獲得の星奈津美さんと。昨年、広島大会のプレゼンターでした。

「自分の心を豊かにするための競技生活であってほしい。」

─北島康介

海外大会では日本が過去最多のメダル数を記録したパリ五輪。しかし、競泳ジャパンはわずか銀メダル1個と、厳しい結果でした。

気になるのは、選手たちの去就です。日本代表に選ばれなかった時点で引退を表明した選手もいるし、これから引退表明をする選手も出てくるでしょう。背泳ぎの入江陵介さんは代表落ちの時点で引退し、五輪ではコメンテーターとして活躍していましたが、彼のような転身ができる選手はほんの一握り。多くの競泳選手が静かに引退し、第二の人生を歩み始めます。

冒頭の言葉は、現在は東京都水泳協会会長や競泳プロチームのGMなどを務める北島康介さんがインタビューで語ったもの。日本人初の2種目2連覇を達成したレジェンドですが、北島さんは自身の偉業が「逆に後輩たちを苦しめた」とも言います。そして後輩たちに「もっと競技を楽しめ。背負わなくていい」と伝えてきたのだとか。
私が競泳を始めた20年前、北島康介を始めとする選手たちの活躍で、競泳界は活気づいていました。地方のマスターズチームも盛り上がり、憧れの選手と同じ練習をして、みんなグッタリして帰っていました(笑)。その楽しさは、歳を重ねても変わりません。

北島さんは「選手自身が楽しまないと、見ている人も楽しめない」と言います。選手たちに笑顔で世界に挑み続けてほしいし、その姿を観て、私も競泳を続けたいです。

パリ五輪で引退する全ての競泳選手に、幸多かれと願います。

この記事を書いた人
Azusa

株式会社ラクパ専属ライター。タウン誌≪シティ情報ふくおか≫編集者として、特集のほか、地元のテレビ番組・お笑い・祭りのページなどを担当。地域色豊かな誌面作りを目指す。2006年、ニュースレター作成代行「ラクパ」のライターとして活動開始。クライアントの個性を活かし、顧客づくりのための原稿を執筆中。趣味は競泳、専門種目はクロール。マスターズ大会での自己ベスト更新を夢見て、仕事と家事の合間にトレーニングに励む毎日。

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