ニュースレター作成代行サービス「ラクパ」を立ち上げて、もうすぐ丸19年になります。これまでほぼ同じスタイルで仕事を続けてきましたが、さすがに20年近くなると、自分を取り巻く環境は大きく変化しました。
「社長業とは変化対応業だ」という言葉がありますが、それを踏まえると、自分ももっと変化に対応していかねば、と思います。今年は自身の置かれた環境をしっかりと観察し、蛇が脱皮するがごとく、過去のやり方を脱ぎ捨てていく年にしようと思います。そういう意味で「勝負」の年になります。
「勝負」の話といえば、私がいつも思い出す本があります。永世棋聖・米長邦雄さんの著書『人間における勝負の研究』です。この本のなかで、
”勝負とは、実力の差を別にすれば、確率と勢いと運の3つの要素で成り立っている。(中略)運はすべての人に平等にやってくる。運をつかむためには、自分の利害に影響のない勝負で必死に頑張ることです。ここ一番の勝負というのは、名人戦とか昇段のかかった一番ではない。一生のツキを呼ぶとか、何年間かのツキを呼び込む大きな対局とは、実は自分にとっては一見、何の影響もない一番、その勝敗が自分の進退には直接影響がないけれども、相手にとっては大変な意味をもっている勝負なのです”
と語り、こんなエピソードを紹介しています。
昭和55年の十段戦リーグの最終戦。米長氏はすでに負けが込んでいて、この局はいわば消化試合でしたが、相手の加藤一二三氏にとってはここで勝てば中原誠十段への挑戦権が獲得できる重要な一局でした。この時、いつも背広姿の米長氏は、羽織袴のいでたちで渾身の力で勝負に臨んだそうです。結局この対局は負けてしまいましたが、米長氏はこの時を境に不調を脱し、連勝を重ねっていったそうです。
経験を積んできた仕事は、それほど苦労しなくても仕上げられます。ですが、そうやって気を緩めてツキが逃げてしまわないよう、一つひとつの仕事に向き合っていこうと思います。脱皮後の自分を思い描きながら、今年一年頑張ります。
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