画期的な技術に対しての理解が薄い日本/映画『Winny』

このコーナーでは経営や生き方のヒントとなるような映画を紹介しています。今回は、ファイル交換ソフトWinny開発者の不当逮捕と真っ向から闘った人々の実話を映画化した『Winny』です。

映画

『Winny』

ウィニー

<あらすじ> 2002年、プログラマー・金子勇(東出昌大)は、簡単にファイルを共有できる革新的なソフト「Winny」を開発し、試用版をネットに公開する。映画や音楽、ゲームの違法コピーをも可能にするWinnyは、次第に社会問題へと発展していく。次々に違法コピーした者たちが逮捕されていくなか、ついに開発者の金子も著作権法違反幇助の容疑をかけられ、逮捕されてしまう。弁護士の壇(三浦貴大)は弁護団を結成。金子と共に裁判で警察の逮捕の不当性を主張するも、第一審では有罪判決を下されてしまう…。

「ナイフが殺人に使われたからと言って、ナイフの製造者に罪を問えるのか」という印象深い台詞が出てきます。金子氏の容疑は「著作権法違反幇助」。この幇助という言葉が権力側によって都合よく解釈されるのが恐ろしいです。金子氏は、コンピュータ技術は天才的ですが、純朴な青年だったようです。警察側が金子氏の無知を利用し、誓約書と称して、金子氏に不利な調書を書かせるくだりは背筋が寒くなりました。Winnyの裁判と並行して、愛媛警察の裏金事件が描かれますが、それによって物語の深みが増しています。元プログラマーの私としては、複雑な気持ちで観た作品でした。

  • 『Winny』
  • 監督・脚本:松本優作
  • 出演者:東出昌大、三浦貴大、吹越満、吉岡秀隆ほか
  • 上映時間:127分
  • 製作国:日本
  • 公開:2023年3月10日
この記事を書いた人
sonosho

株式会社ラクパ代表取締役。中小企業の顧客づくり支援家。【経歴】プログラマー5年、タウン情報誌編集者15年を経て、2006年に起業。2016年に法人化。主事業はニュースレター作成代行サービス。東証プライム上場企業から個人事業主まで延べ1,149号の制作実績(2024年2月現在)。近年はサイト制作にも注力。

sonoshoをフォローする
映画から学ぶ
sonoshoをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました