「ガッカリされてからが、本番。」

このコーナーでは、株式会社ラクパのライター・城戸あづさが、心に留めておきたい言葉とのエピソードを綴ります。

神幸祭

ガッカリされてからが、本番。

笠松 将(俳優)

私が生まれ育った地区には5月の連休に神幸祭があります。氏神様の神社から山車が出て、地区を練り歩きます。小さなお祭りですが「博多祇園山笠より古い」というのが唯一の自慢です(笑)。

コロナで中止していた山車が4年振りに復活するというので、今年は息子と神社へ。すると、法被を着た氏子が驚くほど少ないのです。コロナの間に祭りの存在が薄れ、若い氏子も増えないのだとか。急遽、息子も私も山車を引くことにしました。

800余年続く祭りの危機と思われましたが、思わぬ光景を目にしました。代替わりした若い神主さんが山車に乗らず、周辺の人々にお祓いをして歩くのです。沿道へ出て山車を待つ人にはもちろん、遠くの塀から顔を出す人や停めた車から覗く人の元にまで駆けつけて祓串を振ります。「あんな神主さん、見たことない」「有り難いね」と声が聞こえてきました。

駆け寄ってきた神主からお祓いを受けた人は皆、嬉しそうだったな。来年は沿道に並ぶかもしれない。少なくとも祭りに興味はもつだろう…コロナの空白期を脱した、ここからが本番。復活した山車が、以前よりも楽しみに待たれる行事となる想像をしながら、2日間で2万歩超えの休日を終えたのでした。(あづさ)

この記事を書いた人
Azusa

株式会社ラクパ専属ライター。タウン誌≪シティ情報ふくおか≫編集者として、特集のほか、地元のテレビ番組・お笑い・祭りのページなどを担当。地域色豊かな誌面作りを目指す。2006年、ニュースレター作成代行「ラクパ」のライターとして活動開始。クライアントの個性を活かし、顧客づくりのための原稿を執筆中。趣味は競泳、専門種目はクロール。マスターズ大会での自己ベスト更新を夢見て、仕事と家事の合間にトレーニングに励む毎日。

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