ブッダの教えは宗教ではない!?―草薙龍瞬著「反応しない練習」

「悩み事の8割は実際には起きない」と言いますが、そうはいっても悩んでしまうのが人間ではないでしょうか? 私自身振り返っても、会社勤めの頃は人間関係で悩んだり、独立してからは仕事のことで悩んだり、子どもの事で悩んだり…。苦悩するタイプではありませんが、それなりに悩みながら毎日を送っています。今回紹介する本『反応しない練習』を読むと、不要な悩みが排除され心が落ち着くと聞いて読んでみました。

この本の著者、草薙龍瞬(くさなぎりゅうしゅん)氏の経歴は少し変わっています。中学中退後、16歳で家出。放浪ののち大検を経て東大法学部を卒業。政策シンクタンクで働いたのちにインド仏教指導僧のもとで得度出家。今は宗派に属さない僧侶として、実用的な仏教の本質を伝える活動をしています。

この本で草薙氏が伝えようとしていることもブッダの教えを基にしています。ちなみにこの本のなかでの教えとは、ブッダが説いていた最も古い教え「原始仏教」のことを指します。草薙氏がいうには、ブッダの教えは宗教ではなく「正しい理解によって人間の苦悩から自由になる方法」なのだそうです。原始仏教はとても実用的で合理的、現代にも使える考え方があふれていると聞くと、ちょっと興味が沸いてきませんか?

ブッダの教えをひと言でいうと「心のムダな反応を止めることで、いっさいの悩み・苦しみを抜ける方法」です。その方法はおおきく2つ。
「心の反応を見ること」「合理的に考えること」です。
心の反応を見るために最適なのが座禅や瞑想ですが、もっと簡単に日常生活のなかでも実践できます。

?「今、自分の心はどんな状態だろう?」と自分に問いかけ、心の状態を客観的に言葉で確かめる。

?目を閉じて自分の手を見つめ動かしてみる。呼吸しながら肺が膨らむ感覚や鼻先を出入りする空気の感覚を感じ取る。暗闇のなかで動く感覚に集中するだけで心が静まり集中力が高まる。

?心の状態を3つに分けて理解し洗い流す。貪欲…相手にあるいは自分に求めすぎているのだと理解する。 怒り…怒りは、求める心が作り出しているもので根拠のないものと理解する。妄想…余計なこと、意味のないことと理解する。

二つめの「合理的に考える」というのは、目的がかなうよう筋を通して考えることです。例えば、人が悩んでしまう理由の1つが、「判断しすぎるため」なのだそうです。「あの人は良い(悪い)」「自分は正しい」「自分はダメな人間だ」など。これらの判断はいわば決めつけ、思い込み、一方的な期待や要求です。そして不満、憂鬱、心配事など多くの悩みを作り出します。不要な判断が「執着」となって自分や相手を苦しめることになるのです。それらを手放し心を洗う方法を説いているのが原始仏教だというわけです。

この記事を書いた人
sonosho

株式会社ラクパ代表取締役。中小企業の顧客づくり支援家。【経歴】プログラマー5年、タウン情報誌編集者15年を経て、2006年に起業。2016年に法人化。主事業はニュースレター作成代行サービス。東証プライム上場企業から個人事業主まで延べ1,149号の制作実績(2024年2月現在)。近年はサイト制作にも注力。

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