「気持ちで書かないと、気持ちは伝わらない。」

このコーナーでは、株式会社ラクパのライター・城戸あづさが、心に留めておきたい言葉とのエピソードを綴ります。

温暖化

気持ちで書かないと、気持ちは伝わらない。

─鈴木康之

コピーライターとして数十年のキャリアをもち、審査員や講師も務める鈴木さん。冒頭の言葉は鈴木さんの著書『名作コピーの教え』の中の教えの一つです。

鈴木さんは「地球温暖化」という言葉を憂いています。地球規模の非常事態なのに、「温暖」の文字はどこか心地良く感じさせてしまう。誰が考えたのか定かではありませんが、人類に警告したい気持ちがあれば「地球加熱化」とか「地球高温化」とか、もっと緊迫感と恐ろしさを伴う言葉を選んだだろうと。
この本の初版は2015年。9年を経て猛暑日に苦しむ今、鈴木さんの訴えは誰もが納得するところでしょう。
最近は仕事の打合せも友人との会話も、LINEやメール、スラックといった文字のやりとりが主流になりました。それなりにスピードも要るから、瞬時に言葉を選ぶ能力が必須になります。

でも、鈴木さんの教えは「まず気持ちありき」。最初に自分の考えや気持ちを確かめること。それから最もふさわしい言葉を選ぶこと。名付け親が「地球温暖化」で本当にいいのかと自問すれば、ネーミングも私たちの意識も変わっていたかもしれません。

返信のスピードに囚われず「自分の気持ちに最もふさわしい言葉を選ぶ」余裕を持とうと思います。

この記事を書いた人
Azusa

株式会社ラクパ専属ライター。タウン誌≪シティ情報ふくおか≫編集者として、特集のほか、地元のテレビ番組・お笑い・祭りのページなどを担当。地域色豊かな誌面作りを目指す。2006年、ニュースレター作成代行「ラクパ」のライターとして活動開始。クライアントの個性を活かし、顧客づくりのための原稿を執筆中。趣味は競泳、専門種目はクロール。マスターズ大会での自己ベスト更新を夢見て、仕事と家事の合間にトレーニングに励む毎日。

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