母とスカイセンサー5800

先月は母の13回忌でした。福岡の自宅にある小さな仏壇に毎朝、手を合わせていますが、久しぶりに実家に帰り、実家の仏壇や墓を参ると、母のことをいろいろと思い出します。そのなかでも「もっとこうすればよかった」という後悔の念は年月が経っても消えずにいます。

私が小学6年生の頃、作文の宿題がありました。どんな題材で書く宿題だったのかは忘れたのですが、私はその作文で、当時自分が一番欲しかったラジオ「SONYスカイセンサー5800」のことを書きました。このラジオがいかに素晴らしいラジオか、自分がどれほど欲しいのかといった内容です。(スカイセンサー5800がどんなラジオかは下のコラムをお読みください)

ラジオ

私は原稿用紙に自分の思いのたけをすべて書きました。けっこう良く書けていたと思います。

そして参観日当日、多くの保護者の中に私の母もいました。児童一人ひとりが自分の書いた作文を発表するなか、私も堂々とその作文を読み上げました。他の児童の作文は、両親とお出掛けした時の話だったり、友達の話だったと思います。それに対して私の作文があまりにも即物的な内容だったので、保護者の中からクスクスと笑い声が起きていました。それでも私は気にせず最後まで読み切りました。

学校の帰り道。母はあまり話さず、ポツリとひと言「みんなの前であんな話をされて恥ずかしかった…」。私はハッとし、母をそんな気持ちにさせたことをすぐに後悔しました。自分でいうのも何ですが、小学生の頃はわりと成績が良く、委員なども務めていたので、母にとっては自慢の息子だっただろうと思います。授業参観に来た母は、まさか息子が、物を欲しがるだけの作文を読むとは思いもしなかったに違いありません。

母に恥ずかしい思いをさせてしまったという記憶はそれから消えることはありませんでした。

後日談。翌年のお正月、私はお年玉を貯めてそのラジオを買いました。スカイセンサー5800はやっぱり最高のラジオでした

SONYスカイセンサー5800
1974年頃、BCL(Broadcasting Listening/Broadcasting Listeners)というのが流行しました。海外の短波放送を受信し、その受信証明書「ベリカード」を集めるというものです。SONYが発表したスカイセンサーは短波受信用ラジオで、累計100万台も売れた人気シリーズです。その代表機が「スカイセンサー5800」。当時2万円を超えた高価格ラジオでした。

[char no=”2″ char=”S.Sonoda”]お盆の時期に書くものは、つい内省的なものになりがちです。経営者に役立つニュースレターやブログを発信するのが私のポリシーなのですが、たまにはこんな回もあります。[/char]

この記事を書いた人
sonosho

株式会社ラクパ代表取締役。中小企業の顧客づくり支援家。【経歴】プログラマー5年、タウン情報誌編集者15年を経て、2006年に起業。2016年に法人化。主事業はニュースレター作成代行サービス。東証プライム上場企業から個人事業主まで延べ1,149号の制作実績(2024年2月現在)。近年はサイト制作にも注力。

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