不思議な味わいがあるSFー『華氏451』

このコーナーでは経営や生き方のヒントとなるような映画を紹介しています。今回紹介する映画はヌーベルバーグの巨匠フランソワ・トリュフォーが1966年に製作したSF『華氏451』です。

映画

『華氏451』

Fahrenheit 451

<あらすじ> 読書や本の所持を禁止し、徹底した思想管理体制を敷く近未来国家。人々はテレビに依存した生活を送り、少しの疑いも持っていなかった。モンターグ(オスカー・ウェルナー)は、書物の捜索と焼却を任務とする「ファイアマン」として勤務していたが、実は密かに小説を読むことを楽しんでいた。
 彼はある日、可憐な女性クラリス(ジュリー・クリスティ)と出会う。テレビ漬けの無気力な妻リンダ(クリスティの二役)に比べて、クラリスは本への愛情を持つ魅力的な女性だった…。

<コメント>華氏451度(摂氏約233度)とは、紙が自然発火する温度を意味しています。原作はSF作家レイ・ブラッドベリが1953年に発表したもので、当時のテレビブームに警鐘を鳴らす意図で執筆したのだそう。今の時代でいうなら、ネット依存社会への批判といったところでしょうか。本を読むことは、人の感情を動かし、心を惑わすものとして禁止されている社会。妻リンダは感情の発露のないロボットのような表情を浮かべています。古い映画で、近未来の雰囲気はチープですが、今観てもその風刺の効いた切り口は心に残ります。原作も素晴らしいですが、なんとも不思議な味わいの映画も見応えあります。

  • 『華氏451』
  • 原題:Fahrenheit 451
  • 監督:フランソワ・トリュフォー
  • 出演者:オスカー・ウェルナー、ジュリー・クリスティほか
  • 上映時間:112分
  • 製作国:イギリス
  • 日本公開日:1967年12月20日
この記事を書いた人
sonosho

株式会社ラクパ代表取締役。中小企業の顧客づくり支援家。【経歴】プログラマー5年、タウン情報誌編集者15年を経て、2006年に起業。2016年に法人化。主事業はニュースレター作成代行サービス。東証プライム上場企業から個人事業主まで延べ1,149号の制作実績(2024年2月現在)。近年はサイト制作にも注力。

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