「友ある者は豊かである。」

このコーナーでは、株式会社ラクパのライター・城戸あづさが、心に留めておきたい言葉とのエピソードを綴ります。

心の糧

友ある者は豊かである。

─映画「素晴らしき哉!人生」より

『素晴らしき哉!人生』は1946年製作のアメリカ映画。ここでいう「友」とは、SNSのフォロワーや行動を共にする存在ではありません。自分は損ばかりして、周りの人々を助ける人物の話ですから、「友=良心」と解釈すると、しっくりきます。


観終わって、幼い頃の記憶が甦りました。小学校に入って近所の子たちと集団下校していた頃のこと。ある日、転校生が越してきました。すると、友人たちは彼女を仲間外れにし、わざと離れて下校したのです。


私は何となく気持ちが悪く、翌日、転校生を誘いました。そして私も仲間外れになりました。転校生は「みんなのところへ戻っていいよ」と泣きました。学校でも辛い思いをしたのでしょう。私は「ずっと一緒に帰るよ」と答えました。


数日後、後ろから石を投げられました。真新しいランドセルに付いた傷を見て、悲しみと憤りが込み上げたのを覚えています。


ところが、です。数日経った放課後、転校生は集団の中にいました。何があったのかわかりませんが、当時の記憶は「うんざり」という言葉しか浮かびません。


しばらくの間、私は一人で学校生活を送りました。もともと一人っ子ですから、一人遊びは得意でした。本を読んで面白い話を考えていたら、いつのまにか似た感覚の子と仲良くなっていました。それ以降の友人とは今でも付き合っています。


良心に従った結果には、胸を張れる…50年前の自分を誇らしく思い出せたことが、新年の誓いとなりました。(あづさ)

この記事を書いた人
Azusa

株式会社ラクパ専属ライター。タウン誌≪シティ情報ふくおか≫編集者として、特集のほか、地元のテレビ番組・お笑い・祭りのページなどを担当。地域色豊かな誌面作りを目指す。2006年、ニュースレター作成代行「ラクパ」のライターとして活動開始。クライアントの個性を活かし、顧客づくりのための原稿を執筆中。趣味は競泳、専門種目はクロール。マスターズ大会での自己ベスト更新を夢見て、仕事と家事の合間にトレーニングに励む毎日。

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