アイデアが瞬時に出るようになる…かも。

瞬考

今回紹介するのは山川隆義著『瞬考』です。最近読んだビジネス書のなかでも特に学びの多い本でした。

著者の山川さんは、京大工学部修士から横川ヒューレット・パッカード、ボストンコンサルティンググループを経てドリームインキュベーターの創業に参画しその後同社社長に就任したという異色の経歴をお持ちの方です。

本のタイトルとなっている「瞬考」とは、一瞬で仮説を生み出す力のこと。物事の変化が速く、先行きが不透明な今の時代、いかに瞬時に次の打ち手を見いだせるかが大事で、この本はそこにフォーカスしています。しかもただの理論ではなく、著者自身が実践し、結果を出しているというところに大きなアドバンテージがあります。

瞬考のポイントは

  1. 求められる仮説とは「相手が知らなくて、かつ、知るべきこと」を捻り出すこと
  2. 仮説構築をするためには、事象が起きたメカニズムを探る必要がある。メカニズム探索では「歴史の横軸」「業界知識の縦軸」そしてその事象が起きた「背景」を意識する
  3. 導き出した仮説を「メカニズム」として頭の中に格納し、それらをアナロジーで利用する
  4. 事例などのインプット量が仮説を導き出す速度と精度を決める
  5. 「一を聞いて十を知る」人ではなく「一を聞いて十を調べる」人が仮説を出せるようになる
  6. あらゆる局面でエクスペリエンス・カーブ(経験曲線=経験を積むことで効率よく仕事をこなすことができる)を意識する

の6つ。それぞれのポイントは、文中でで詳しく解説されています。

山川氏が特に重視しているのは「インプット量」。アイデアが出ない一番の理由はインプット量が圧倒的に少ないからだそうです。山川氏は、会社員時代に「会社四季報」10年分を表計算ソフトに入力する業務をやったそうですが、その写経が、のちに経営コンサルティングをするうえでの礎になったそうです。

またこの本は、YOASOBIやBTSのヒットの理由、神社とファンクラブビジネスの共通点、レコードの復活と書籍の未来の考察など、取り上げられている事例が身近で分かりやすいのも特徴です。

『瞬考 メカニズムを捉え、仮説を一瞬ではじき出す』山川隆義著/かんき出版/1,600円+税/2023年6月5日発行

この記事を書いた人
sonosho

株式会社ラクパ代表取締役。中小企業の顧客づくり支援家。【経歴】プログラマー5年、タウン情報誌編集者15年を経て、2006年に起業。2016年に法人化。主事業はニュースレター作成代行サービス。東証プライム上場企業から個人事業主まで延べ1,149号の制作実績(2024年2月現在)。近年はサイト制作にも注力。

sonoshoをフォローする
オススメの本
sonoshoをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました