今回ご紹介するのは、スポーツエージェント業界を舞台にした友情と恋愛の物語『ザ・エージェント』です。
ジェリー(トム・クルーズ)は全米屈指のスポーツ・エージェント会社の有能社員。ある日、選手を商品とみなして高い年俸契約を獲得することに執着する会社の方針に嫌気がさし、選手との信頼関係を重視する内容の提案書を出すが、クビになってしまう。独立する彼に付いて来たのは会計係のドロシー(レニー・ゼルウィガー)のみ。そしてそれまで契約していた選手も根こそぎ同僚に奪われてしまい、残ったのは落ち目のフットボール選手ロッド(キューバ・グッディング・Jr)だけだった…。
<見どころ>理想に燃えるジェリーとドロシーの恋、唯一のクライアント、ロッド選手との男の友情、その2つが絡み合いながら物語は進んでいきます。ラブストーリーの部分はさておき、エージェントとクライアントの信頼関係を描いた物語として秀逸です。エージェントは、クライアントとなる選手がいなければビジネスが成り立ちません。選手は、高い年俸も欲しいですが、自分を商品としてでなく、人として接してくれるエージェントを望みます。顧客との関係もこうありたいと思わせる作品です。「成功への鍵は人間同士の関係にある」「愛がなければ売り込みは成功しない」「困難を柔軟に切り抜けろ。明日は明日の風が吹く」など、途中で挿入されるスポーツ・エージェント元祖の箴言がピリッと効いています。
『ザ・エージェント』監督:キャメロン・クロウ/主演:トム・クルーズ/上映時間:139分/製作国:アメリカ/日本公開1997年
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