斧を研ぐ時間はありますか?
今年も押し迫ってきましたね。師走のお忙しいなか、ちょっと一息いれてみませんか? 今日はこんな話をお届けします。
がんばる木こりの話
昔々、一人の木こりが材木屋に仕事をもらいにいった。申し分のない条件だったので、木こりは仕事を引き受けることにした。
最初の日、木こりは親方から斧を一本手渡され、森の一角を割り当てられた。男はやる気満々で森に入った。その日は一日で十八本の木を切り倒した。「よくやった!この調子で頼むぞ!」。親方の言葉に励まされた男は、明日はもっと頑張ろうと誓って早めに床に入った。
次の日、男は誰よりも早く起き、森に向かった。ところが、その日は努力も虚しく、十五本が精一杯だった。「疲れているに違いない」。そう考えた末、木こりは日暮れとともに寝床に入った。
夜明けとともに目を覚ました男は「今日は何としても十八本の記録を超えるぞ」と自分を奮い立たせて床を出た。ところが、その日は十八本どころかその半分も切り倒せなかった。次の日は七本、そのまた次の日は五本、そして最後は夕方になっても二本目の木と格闘していた。何と言われるだろうとびくびくしながらも、木こりは親方に正直に報告した。「これでも力のかぎりやっているのです」。親方は彼にこう尋ねた。「最後に斧を研いだのはいつだ?」
男は答えた。「斧を研ぐ? 研いでいる時間はありませんでした。なにせ木を切るのに精一杯でしたから」。
引用図書:『ものの見方が変わる座右の寓話』 戸田智弘著
あなたはこの寓話をどう受け止めますか? 私にとってはなんとも耳の痛い話です。ありがたいことに今年一年間、仕事に恵まれて忙しく過ごしてきましたが、そのぶん、自分の技術を高めるための時間や、教養のための時間をしっかり確保できていなかったというのが正直なところです。もっと広く考えると、健康維持のための運動、心の平穏のためのマインドフルネスなども入るでしょう。
毎朝、仕事を始めると目の前の業務遂行にばかり気を取られてしまい、斧を研ぐ時間を確保するのを忘れてしまいます。そうならないように、新年から、いや、明日から、斧を研ぐ時間を先に確定しておき、仕事に取り組もうと思います。
今年一年「顧客作りのツボ」にお付き合いいただき、ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願い致します。(正一郎)
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