「母さんの真似をして覚えたんだよ。」

このコーナーでは、株式会社ラクパのライター・城戸あづさが、心に留めておきたい言葉とのエピソードを綴ります。

旅立ち

「母さんの真似をして覚えたんだよ。」

───我が家の次男

今月は『我が家の次長課長日誌』をお読み下さっていた皆様へのご報告です。連載中に頂いた皆様からのお便りは今も大切にしています。

我が家の長男は今、東京で暮らしています。そしてこの春、次男も就職で静岡へ行きました。

小児喘息だった次男は、今も旅先で軽い発作が出ることがあります。初めての一人暮らしに不安がないよう、昔飲んでいた喘息薬を静岡へ持って行こうという事になり…20年前お世話になっていたお医者様を母子で訪ねました。

再会を懐かしんだ後、先生は20年間で一度だけ、自身の骨折で病院を閉めた話をされました。社会人になる息子に、継続の価値を語ってくれたのです。

さて、お礼を言って、薬局へ向かう途中のこと。私が「お前は人の話を聞く時、目を見て、よく頷くね。向こうへ行っても、ずっと続けてね」と言ったのです。すると息子が「俺は母さんの真似をして覚えたんだよ」とポツリ。

最近では会話も減りがちな息子でしたが、温かい言葉で私の子育てを締めてくれました。かくして、彼は巣立っていったのでした。

次男を見送った後、長男にメッセージで報告しました。すると「そうか。ついに2人だけになったのか」と返信が届きました。

それから3日後、長男からメッセージが。「父さん母さん、元気ですか。盆か正月には帰ります」…急に心配になったか、笑。(あづさ)

この記事を書いた人
Azusa

株式会社ラクパ専属ライター。タウン誌≪シティ情報ふくおか≫編集者として、特集のほか、地元のテレビ番組・お笑い・祭りのページなどを担当。地域色豊かな誌面作りを目指す。2006年、ニュースレター作成代行「ラクパ」のライターとして活動開始。クライアントの個性を活かし、顧客づくりのための原稿を執筆中。趣味は競泳、専門種目はクロール。マスターズ大会での自己ベスト更新を夢見て、仕事と家事の合間にトレーニングに励む毎日。

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