あなたのお仕事、あなたを取り巻く社会や人間関係…それらが年を追うごとに複雑化しているように感じることはありませんか? 私はここ数年、特にそう思うようになりました。
そんな時こそ、本質を見失わず、シンプルに考えたほうがいいですよね。
そう考えていたら、ベンジャミン・フランクリンの本が目に入りました。
実業家、政治家、科学者などの顔を持ち、「アメリカ建国の父」と呼ばれる人物です。米国百ドル紙幣に肖像画が載っているので、日本でいえば、福沢諭吉に匹敵するイメージでしょうか。
そのフランクリンの自伝に登場するのが13の徳目です。
1.節制 体が鈍るほど食べないこと。酔って浮かれ出すほど飲まないこと。 2.沈黙 他人または自分自身の利益にならないことはしゃべらないこと。つまらぬ話は避けること。 3.規律 自分の持ち物はすべて置くべき場所を決めておくこと。自分の仕事はそれぞれ時間を決めてやること。 4.決断 やるべきことを実行する決心をすること。決心したことは必ず実行すること。 5.節約 他人または自分のためにならないことに金を使わないこと。すなわち、無駄な金は使わないこと。 6.勤勉 時間を無駄にしないこと。有益な仕事につねに従事すること。必要のない行為はすべて切り捨てること。 7.誠実 策略をもちいて人を傷つけないこと。悪意を持たず、公正な判断を下すこと。発言する際も同様。 8.正義 他人の利益を損なったり、与えるべきものを与えないで、他人に損害を及ぼさないこと。 9.中庸 両極端を避けること。激怒するに値する侮辱をたとえ受けたにせよ、一歩その手前でこらえて激怒は抑えること 10.清潔 身体、衣服、住居の不潔を黙認しないこと。 11.冷静 小さなこと、つまり、日常茶飯事や、避けがたい出来事で心を乱さないこと。 12.純潔 健康、または子孫のためにのみ性の営みを行なって、決してそれにふけって頭の働きを鈍らせたり、身体を衰弱させたり、自分自身、または他人の平和な生活や信用を損なわないこと。 13.謙譲 イエスとソクラテスを見習うこと。
彼は25歳の時に、自分に役立つ徳を選り抜き、日常生活でこれらが習慣化するように一生努力を続けた、とあります。いずれも極めてシンプルでありながら、意識しないと守れないものばかりです。
フランクリンは、手帳にチェック表を作り、毎週1つの徳目を選んでそれが守れたかどうか、印を付けながら習慣化していったそうです。
今の時代を生きる私たちこそ、時折見返す必要があるように思います。(正一郎)
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