このコーナーでは、株式会社ラクパのライター・城戸あづさが、心に留めておきたい言葉とのエピソードを綴ります。
「日本人らしさ」は褒めても「日本人らしくあれ」と強いてはいけない。」
by 某コメンテーター
サッカーワールドカップ、ご覧になりましたか。私は4年に1度、絵に描いたようなにわかファンになります。小さな日本人選手が大きな外国人選手に体を張って立ち向かう姿、フォワードの選手が自陣まで全力で戻って守備をする姿に、毎回胸が熱くなりました。
世界からも犠牲的、献身的…と日本の戦い方は高く評価され、さらにはゴミ拾いをするサポーターや、敗戦後にロッカールームを掃除して去った日本代表の態度も絶賛されました。
この「日本人らしさ」は誇らしく、ぜひ受け継いでほしいものです。マスコミも連日「日本人らしさ」を褒めたたえる報道をしていました。
そんな中、ある報道番組のコメンテーターが「自然に生まれた日本人らしさは褒めても、日本人らしくあれと強要してはいけない」と言ったのです。多くの人が日本人の美徳に酔う中で、自分の意見を述べたその人に、これぞコメンテーター!と感心しました。
確かに、献身的になれと部下に強要したり、感謝が足りないと人を批判したりするのは危険。日本代表は行動で示してくれたからこそ、私たちの心に響いたのです。自分が愛する日本人らしさを自分が実践してこそ、周囲に広がっていくのだな、としみじみ感じたのでした。(あづさ)
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