このコーナーでは、株式会社ラクパのライター・城戸あづさが、心に留めておきたい言葉とのエピソードを綴ります。
「僕らが勝つなんて誰も思っちゃいない。信じていたのは、僕らだけ。」
ラグビー日本代表 田村優
世界1位のアイルランドに勝った後の田村選手の言葉です…胸が熱くなりました。
我が家の長男は小学5〜6年の間、ラグビーをしていました。お友達に誘われてチームに入ったのですが、身体も細く、運動経験もない息子はレギュラーにはなれませんでした。チームの監督は私と同世代で仕事も忙しい方だったのですが、休日返上で熱心に指導をして下さいました。コーチ陣はお父さんたち、世話係はお母さんたちで、大所帯で試合や合宿に行ったものです。
監督は勝敗よりラグビーの精神を大切にしていました。うちの息子は補欠で試合中の給水係でしたが、どのチームよりも早く仲間に水を運ぶと大変ほめて下さいました。“One for All.All for One.”何より大切なことを教えていただいた気がしています。
息子のチームが再び集まったのは高校生の時。急逝された監督の葬儀ででした。奥様から監督はいつも息子たちの話をしていたと聞きました。ラグビーをする子が増えるよう、ずっと監督を続けていたそうです。
あれから8年。日本開催のワールドカップと日本代表の躍進を監督が観ていたら、どんなに喜んだことでしょう。勝利を信じて努力を続けた選手と、日本中がラグビーで湧く日を信じて、地道に活動してきた指導者・関係者の方々に改めて敬意を表します。(あづさ)
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