このコーナーでは経営や生き方のヒントになるような映画を紹介しています。今回は、ゲイであることを公表して米国で初めて公職に就いた政治家ハーヴェイ・ミルクの活動を描いた『ミルク』です。
『ミルク』
Milk
<あらすじ>
1972年、同性愛者のミルク(ショーン・ペン)は、20歳年下のスコット(ジェームズ・フランコ)と出会い、恋に落ちる。二人はサンフランシスコに移り住み、そこでカメラ店を開く。
店はヒッピーや同性愛者のたまり場となり、そこから政治的な動きが生まれ始める。ミルクは、マイノリティの権利と機会の平等を求め、世間の差別や偏見と戦いながら、市議会の選挙に立候補するのだが…。
<コメント>
70年代のサンフランシスコといえば、60年代から続くピッピー・ムーブメントの流れを汲み、性的少数者権利運動の中心地でした。その政治的な活動の重要人物がハーヴェイ・ミルク氏です。
彼の活動は同性愛者支援に留まらず、有色人種、下級労働者など様々な社会的弱者の救済まで拡がり、3度目の立候補でようやく市議会議員に選出されました。彼の不屈の精神は映画の中でもしっかりと描かれています。
著名人の実話を基にしているので、映画の結末を書いても問題ないかと思いますが、ミルクは同じ市議のダン・ホワイトの凶弾によって亡くなります。ホワイトがなぜ彼を殺すに至ったのかという視点で見ても、発見のある作品だと思います。(正一郎)
- 『ミルク』
- 原題:Milk
- 監督:ガス・ヴァン・サント
- 出演者:ショーン・ペン、エミール・ハーシュ、ジョシュ・ブローリン他
- 上映時間:128分
- 製作国:アメリカ
- 日本公開:2009年4月18日
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