コロナ禍の終息を願って、当面の間は「希望」を感じさせる映画を選んでご紹介します。今回はクリスマス映画のなかでこれをナンバー1に選ぶ人が多いという『素晴らしき哉、人生!』です。
<あらすじ>子供の頃から、自分よりも他人を優先して生きていたジョージは、自分の夢や野望を捨て、父親の会社を継ぐ。そして嫌われ者の富豪ポッターからの圧力や、世界恐慌などに遭いながらも、自分の善良さを失わずに生きていた。しかしある年のクリスマス、彼は最大の試練に襲われる。自暴自棄になった彼は自殺を図ろうとするが、そこに「自分は天使だ」と名乗る男が現れる。彼は、ジョージを救うために天界がよこした二級天使クラレンス(ヘンリー・トラヴァース)だった。クラレンスは、もしジョージがこの世にいなかったらどんな世界になっていたかを彼に見せるのだった…。
<コメント> なんと今から74年前、1946年に公開されたこの映画。アメリカの良心を描いたファンタジーあふれるヒューマン・ドラマです。
一人ひとりの人間はすべてかけがえのない存在であり、善良さを失わず、家族や友人を大切に生きていれば、それが一番幸せなことだというメッセージが強く伝わってきます。
キリスト教的な考えが根底に流れていますが、東洋にも「因果応報」という言葉がある通り、自分の行ないが自分に返ってくるというのは万国共通。
クラレンスが中年のおじさんで、しかもまだ見習いなので翼を持っておらず、翼を手に入れるために懸命に動き回るというコミカルな要素が効いています。
- 『素晴らしき哉、人生!』
- 原題:It’s a Wonderful Life
- 監督:フランク・キャプラ
- 出演:ジェームズ・スチュアート/ドナ・リード/ヘンリー・トラヴァース他
- 上映時間:130分
- 製作国:米国
- 日本公開:1954年2月
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