このコーナーでは、株式会社ラクパのライター・城戸あづさが、心に留めておきたい言葉とのエピソードを綴ります。
「振り返れば 風の中で 神様が佇む この街」
KUWATA BAND「MERRY X’MAS IN SUMMER」ー
大学時代、キャンプサークルに所属していて、夏休み中、九重でキャンプをしておりました。が、秋になって街に降りてくると、活動はほぼ飲み会(笑)。その集会所が「まつもと」でした。閉業を知らせる新聞記事に記憶が甦りましたが、私は仕事に追われ、日々が過ぎていきました。
3月30日のこと。仕事が早めに終わると、急に「まつもと」に行きたくなったのです。出不精の私がどうして行動に移せたのか不思議ですが、とにかく快速電車とモノレールと徒歩で、日暮れにはお店に着きました。
ところが…お店は既に閉業していたのです。気になって隣の居酒屋で尋ねたら、親切なご店主が「まつもと」のマスターに電話をしてくださいました。絶対覚えてるはずないのだけど「ごめんね〜、もう一杯やっちゃって。呑んでなけりゃ、俺行くんやけど」とマスター。ママも「私、40年もよく頑張ったでしょ」と人懐っこく笑うのでした。
結局、隣のご店主に贈り物を託し、ついでに焼き牡蠣で焼酎を呑み、お礼を言って店を出ました。
「MERRY X’MAS IN SUMMER」は九重のキャンプ場で毎日聴いていた曲です。懐かしい人との再会は叶わなかったけど、30年ぶりの街で、部室へ続く階段が当時のまま残っているのを見つけました。この街の神様が「よく来たな」と佇んでいるようで、幸せな気分で帰路に着いたのでした。(あづさ)
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