小さな会社にも、旗は必要。

『「旗」を立ててから、登り方を考えよ』

 今年は当社が創業して丸20年。創業当時を振り返る機会が何度かありました。起業前はセミナーや先輩経営者のほか、数多くの書籍からも学んだものです。

 先日、書店で平野洋一郎氏の『「旗」を立ててから、登り方を考えよ』という本が目にとまりました。今さら起業本を…と思いつつ、タイトルに惹かれてレジに向かいました。

 平野氏は、1998年にIT企業インフォテリア(現アステリア)を創業し、わずか9年で東証マザーズに上場させた経営者です。

 平野氏によれば、スタートアップとは「異常な速度で成長することを前提に設計されている企業。例えば、光ファイバーの工事を請け負うのでなく、クラウドサービスで世界のインフラを変える企業」だとか。そのために最初にやるべきことが、「自分の人生を賭けてもいいと思える夢を描き、その山の頂に旗を掲げること」。

 平野氏が35歳の時に掲げたのは「日本をソフトウェア輸出国にする」という旗でした。その旗があったからこそ、頂から逆算して情報を集め、チームを作り、投資家から27億円もの資金を調達できたのでしょう。

 もちろん順風満帆とはいかず、製品開発は難航。資金はあっという間に底をつき、あと3カ月で倒産というところまで追い込まれます。その局面で平野氏が下した苦渋の決断は、ぜひ本書でお読みください。

 ほかにも、市場の選び方は「狙うのは、大手がやれない分野。市場が小さすぎたり、既存事業とのコンフリクト(対立)があると、大手は参入してこない」。創業パートナーの選び方は「その人の役割や経歴で選ぶのでなく、〝もし、このパートナーの判断の結果、会社が潰れたとしても、私はこの人を責めない。この人と精一杯挑戦した結果なら、それを受け入れる〟という覚悟を互いに持てること」など、読み終える頃には付箋だらけになっていました。

 当社はスタートアップではありません。それでも、旗を立てることは大切です。小さな会社にとっての旗とは、売上目標や事業計画ではなく、「この仕事を通じて、どんな未来をつくりたいか」という意思なのだと思います。

 登り方は途中で変えても構いません。ただ、目指す頂が見えていなければ、登りやすそうな道を選んでいるうちに、違う山に登ってしまうかもしれません。

 創業から20年。私も改めて、これから掲げる旗を考えています。あなたの会社が山の頂に立てたい旗には、どんな言葉が記されていますか?

この記事を書いた人
sonosho

株式会社ラクパ代表取締役。中小企業の顧客づくり支援家。【経歴】プログラマー5年、タウン情報誌編集者15年を経て、2006年に起業。2016年に法人化。主事業はニュースレター作成代行サービス。東証プライム上場企業から個人事業主まで延べ1,149号の制作実績(2024年2月現在)。近年はサイト制作にも注力。

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