夏を生き抜く。

 大袈裟なタイトルと思われるだろうが、他に言葉が見つからない。スーパーの棚にある物だけで生活していた頃は感じなかったが、こうして花や野菜を育ててみると、天候がどれだけ暮らしに影響を与えるかを身を以て知る。

オクラの花
害虫駆除に葉を切ったオクラ。花の美しさに今頃気づく。

 家庭菜園にはキュウリ、ミニトマト、ナス、オクラ、ピーマン、トウガラシ、エダマメ、サツマイモが植えてある。キュウリ・ナス・オクラ・ピーマンには毎日水をやり、ミニトマトとサツマイモには水をやらない。エダマメは鞘が付き始めたら大量に水をやる…とそれぞれ世話の仕方が異なる。おまけに、ウリハムシがキュウリの葉を食べ、カメムシがミニトマトとエダマメの実を吸い、ハマキムシがオクラの葉に巣を作る。毎朝ミニトマトの支柱を揺らしてカメムシを落とし、ウリハムシを潰して、ハマキムシが付いたオクラの葉を切った。世話の甲斐があって、全ての野菜が実を付けた。花畑の苗も順調に伸び、お盆の供花に間に合いそうだった。

 ところが、7月後半から状況が変わる。連日の気温35度超えと日照り続きに、葉が萎れ、茎が枯れ、縁側から眺める庭は瀕死の風景になった。朝夕に水をやり、下葉を切って風通しも良くしたが、7月に競って咲いていたサルビアは、8月に入ると1本ずつ干からびて全滅した。

花壇
お盆の供花用に育てた千日紅。中心の茎を切ると脇芽が伸びて、花が増えます。

 ペットと飼い主は似てくると言うが、庭の植物が枯れだすと、自分の調子も悪くなった。だるくて仕事中に居眠りをしてしまう。水泳のタイムも下がるばかり。取り戻そうとプールに行っても、タイムが悪いと疲れが余計に増す。

 不調の悪循環から抜け出せたのは、些細な発見からだった。花畑のハイビスカスが咲きかけては蕾を落とすのである。AIで調べたら、株の体力を温存するために自ら蕾を落とすのだとか。ナスは大きな葉を日傘にして実を隠す。大きな実だと株が疲れるから、小さな実を確実に付けていく。葉を切られて坊主になったオクラは、ここぞとばかりに大輪の花を披露する。

 植物は想像以上にしたたかで、逆境に耐えながら、復活の時機を伺っている。その底力に感化され、私も厳しい夏を生き抜こうと思う。

ナス
葉を日傘にして実るナス。ペン立てに挿しても違和感のないサイズ…笑。

この記事を書いた人
Azusa

株式会社ラクパ専属ライター。タウン誌≪シティ情報ふくおか≫編集者として、特集のほか、地元のテレビ番組・お笑い・祭りのページなどを担当。地域色豊かな誌面作りを目指す。2006年、ニュースレター作成代行「ラクパ」のライターとして活動開始。クライアントの個性を活かし、顧客づくりのための原稿を執筆中。趣味は競泳、専門種目はクロール。マスターズ大会での自己ベスト更新を夢見て、仕事と家事の合間にトレーニングに励む毎日。

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