監督・脚本は、クリストファー・ノーラン。なんといっても「ダークナイト」の監督ですからね?。期待しないはずがないです。
【概要】
相手の夢の中に入り込み、潜在意識の中の価値あるアイデアを盗み出す一流産業スパイの男を主人公に、彼と彼のスペシャリスト集団が夢の中で繰り広げる最後にして最も危険なミッションの行方を、複雑かつ巧みなストーリー展開と驚異の映像で描き出していく。
こうしたSFものでは、その世界の設定がどれほどユニークかが、その映画の面白さにつながるわけですが、「インセプション」はそれがとにかく秀逸!
人の夢に入り込んで操作するというだけでなく、夢の中で見る夢、さらにそのさらに夢の中にまで侵入していく様は、まさに夢の多層構造。
彦摩呂氏ならきっと“夢のミルフィールやわァ?!”とか言いそうです。(言わないか…)。
しかも、「上位層の夢の現象が、下位層の夢に影響を与える」という設定になっていてこれがとにかく映画を面白くしています。たとえば、ある夢のなかで車が橋から落ちたりすると、その下位の夢の中では無重力状態になってしまったりするわけです。時間の進み方も夢の中では20倍も違ってきたり。
しかも夢ごとに世界が全く違うので、それらのディテイルの細かさが、この映画を際立たせていると思います。
さて、別の角度からこの映画を見ると、また違った面白さがあります。
映画のタイトルである「インセプション」とは、相手の夢(=深層心理)に入り込んで、あるアイデアを埋め込むこと。
埋め込まれた人間は、そのアイデアはあたかも自分が考え出したアイデアだと思うので、疑いもなくそれを実行するわけです。
この部分だけ切り取って考えると、これは有能なセールスマンならおそらく会得しているだろうテクニックだな、と思うわけです。
誤解されそうですが、それは決して「詐欺」とかではありません(もちろんそういう悪徳系の人たちはきっとこうしたテクニックを使っているでしょうが)。
まっとうな商売をやっている人でも、買う人に「その商品が欲しい」と思ってもらえることを、いかに相手の無意識レベルに埋め込むことができるかということは非常に重要なことだと思います。
コメント
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