善は悪から生まれる?―映画「オール・ザ・キングスメン」

今週日曜日に迫った第48回衆議院総選挙。今回ピックアップした映画は、今のタイミングでぜひ観てほしい1本、『オール・ザ・キングスメン』です。

映画

<あらすじ> 理想主義的な考えを持ち、政治浄化を訴える正直者の小役人、ウィリー・スターク。知事選に出馬するも二度落選、三度目にようやく知事に当選する。しかしそれまでの過程で彼の理想は地に落ち、次第に汚職、賄賂、恐喝といった悪事に手を染める独裁者となっていくのだった…。

<見どころ> 地方の一活動家として理想に燃えていた頃のスタークは、「政治とは人々のために善い社会をつくること」だという信念を持っており、そのための手段も善行でならなければ、と考えていました。しかし彼は落選してしまい、そこから自分のやり方では通用しないということを悟ります。スタークは票集めのために、貧困層の人たちが無料で診療を受けられる病院を建設しようとします。それを実現するための賄賂は果たして「善」か「悪」か? スタークは「善は悪から生まれる」と言い放ちます。きれいごとだけでは物事が進みづらい政治の世界。そしてその政治家を選ぶのは、ほかならない私たち一般市民です。しっかりとした選択眼を持たなければ、と考えさせられる一本です。

本作品には、戦後間もない頃に作られた1949年版と、ショーン・ペン主演の2006年版があります。両方観ましたが、個人的にはアカデミー作品賞を受賞した1949年版をお勧めしたいです。

『オール・ザ・キングスメン』監督:ロバート・ロッセン/主演:ブロデリック・クロフォード/上映時間:109分/製作国:アメリカ/日本公開1976年

↑こちらがブロデリック・クロフォード主演の1949年版


↑こちらがショーン・ペン主演の2006年版

この記事を書いた人
sonosho

株式会社ラクパ代表取締役。中小企業の顧客づくり支援家。【経歴】プログラマー5年、タウン情報誌編集者15年を経て、2006年に起業。2016年に法人化。主事業はニュースレター作成代行サービス。東証プライム上場企業から個人事業主まで延べ1,149号の制作実績(2024年2月現在)。近年はサイト制作にも注力。

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