このコーナーでは、毎回、経営や生き方のヒントになるような映画をピックアップして紹介しています。今回の作品は、12人の陪審員によって一度有罪になりかけた評決が逆転無罪となる議論の様子を描いた『十二人の怒れる男』です。
<あらすじ> 父親殺しの罪に問われた少年の裁判で陪審員となった12人。法廷に出された証拠や目撃証言などは少年にとって圧倒的に不利なものだった。陪審員のうち11人は有罪を確信していたが、たった一人だけは「有罪とするにはまだ十分でない」と無罪を主張。「陪審なんてとっとと終わらせて帰りたい」と思う11人に対して、主人公は証拠一つひとつが確証あるものかどうか議論を積み重ねていく。そうしているうちに一人また一人と無罪を支持する側に変わっていく。そして最後の一人になった時…。
<見どころ> 皆さんは、無意識のうちに偏見を持ったり、思い込みで判断してしまうことってありませんか? 私もついそうしてしまうことがあります。
この映画のなかでも、主人公以外は何かしらの偏見をもったり、我関せずと無責任な立場を取ったりする者ばかりでした。しかし主人公は、みんなから白い目で見られながらも落ち着いた口調で語りかけます。「疑問があるから話し合いたい。1時間だけ話をしよう」と…。
周囲に流されず自分の意見をしっかりと持つこと。そして議論を重ねて、もし自分の考えが違っていることに気づいたらそこから考えを変えればよいこと。この映画から教わることは多いです。
ちなみに、この作品は何度もリメイクされており、米テレビドラマ版「12人の怒れる男 評決の行方」は主演がジャック・レモン。ロシア版「12人の怒れる男」は監督ニキータ・ミハルコフで、こちらも評価の高い作品です。
十二人の怒れる男
12 Angry Men
監督:シドニー・ルメット
脚本:レジナルド・ローズ
製作:レジナルド・ローズ/ヘンリー・フォンダ
出演者:ヘンリー・フォンダ他
製作国:アメリカ合衆国
米国公開:1957年4月13日
日本公開:1959年8月4日
上映時間:96分
↑こちらが1957年版の「十二人の怒れる男」。ヘンリー・フォンダ主演。
↑こちらは米テレビドラマ版「12人の怒れる男 評決の行方」。主演のジャック・レモンの演技が印象に残ります。
↑ロシア版「12人の怒れる男」はチェチェン紛争を絡めた設定。こちらも見応えがあります。
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