コロナ禍の終息を願って、当面の間は「希望」を感じさせる映画をピックアップしてご紹介します。
今回選んだのは、大人になりきれない独身男といじめられっ子の少年の交流を描いた『アバウト・ア・ボーイ』です。
<あらすじ>父の遺した印税収入のおかげで、仕事もせず自由気ままに暮らす38歳の独身男ウィル(ヒュー・グラント)。精神的に不安定な母親フィオナと二人暮らしの12歳の少年マーカス(ニコラス・ホルト)。ある日、ウィルがフィオナの自殺を未遂に終わらせたことをきっかけに、マーカスはなにかとウィルを頼るようになる。面倒なことからいつも逃げていたウィルだったが…。
<コメント> 主人公のウィルは、映画の冒頭で「人は誰でも、それぞれが孤島だ」とつぶやきます。仕事をしなくても生活に困らないウィルにとって、人と関係を持つのは煩わしく、付き合う女性も短い関係ばかり。しかも自分に都合のいいように作り話をする癖があるという、なかなかのダメ男。観ていて「なんでそこでそんな嘘をつくかな〜!」とツッコミをいれたくなりますが、根無し草のような生き方をしていると、そういう性格になってしまうのかも。一方、マーカス少年のほうは悩みが多い分、大人への成長も早いのか、自分の親ほど歳の離れたウィルに対して、まるで友達のように接します。最初はギクシャクしていた二人の関係が次第に年齢を超えた友情になってくるあたりは、観ていてほっこりします。
『アバウト・ア・ボーイ』
原題:About a boy
監督:クリス・ワイツ、ポール・ワイツ
出演:ヒュー・グラント、ニコラス・ホルトほか
上映時間:100分
製作国:イギリス
日本公開:2002年9月
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