このコーナーでは、株式会社ラクパのライター・城戸あづさが、心に留めておきたい言葉とのエピソードを綴ります。
「クサったら、そこで終わり。」
大泉洋
8月にライブ配信で舞台『大地』を観ました。自粛明けのパルコ劇場に初めて観客を入れた、三谷幸喜の最新作。主演は大泉洋。私の大好きな二人です。
独裁政治下で反政府主義者とみなされた俳優たちが、収容所で繰り広げる物語。過酷な労働に耐える俳優たちですが、彼らが最も辛いのは?演じる?行為を禁じられていること。自粛中の感情とも重なって見応え充分でした。機会があれば、ぜひご覧ください。
換気のための長い幕間に、オンライン観客には三谷さんと役者の対談がありました。三谷さんが「初舞台の濱田龍臣くんにアドバイスを」と大泉さんに振ると、ふざけた回答で笑わせていましたが、最後に一言「まぁ、クサったら、そこで終わり。それだけですよ」と。彼が役者として今の地位を築くまでに、多くの障害や挫折があったのでしょう。でも彼は歩みを止めなかった…ただ一つの信念のもとに。腹の据わったその言葉に、私は心を奮い立たせてもらいました。
もし今、先の見えない状況に挫けそうになっている方がいたら、夢や目標を思い返すより、この言葉が特効薬になる気がします…立ち止まっても、前を向けていれば充分。クサったら、そこで終わりだもの。(あづさ)
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