このコーナーでは経営や生き方のヒントになるような映画を紹介しています。今回は、2014年に中国で実際に起き、中国医薬業界の改革の一端ともなったジェネリック薬密輸販売事件を扱った『薬の神じゃない!』です。
『薬の神じゃない!』
我不是藥神 Dying to Survive
<あらすじ>
上海で男性向けの強壮剤を販売する店の店主チョン・ヨン(程勇)。家賃を滞納し、妻にも見限られ、社会の底辺で生きていた。ある日、彼の店に慢性骨髄性白血病を患うリュ・ショウイー(呂受益)がやってくる。彼は、国内で認可された高額な治療薬の代わりに、インドのジェネリック薬を仕入れて欲しいと頼む。チョンは一度は断るものの、金に目がくらみ、ジェネリック薬の密輸・販売を始める。そしてリュのほか、白血病患者のコミュニティを運営するリウなどを仲間に引き入れ、事業は次第に拡大していくのだが…。
<コメント>
このブログで以前紹介した『ダラス・バイヤーズクラブ』の中国版とも言えるこの映画。舞台はアメリカ、中国と異なりますが、どちらも実話を基にした物語というのがポイント。
最初は金儲けのためだったのに、いつしか病気で苦しむ人たちを救ってあげたいという気持ちに変わるのが、グッときます。
中国では、現代社会を風刺したものは上映が難しいらしいのですが、この映画は中国本土で500億円を超えるヒットになったのだとか。コメディタッチとサスペンスタッチを交えて描かれた、面白い映画でした。(正一郎)
- 『薬の神じゃない!』
- 原題:我不是藥神
- 英語タイトル:Dying to Survive
- 監督:ウェン・ムーイエ(文牧野)
- 出演者:シュー・ジェン(徐崢)他
- 上映時間:116分
- 製作国:中国
- 日本公開:2020年10月16日
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