先日開催された「九州志士の会設立記念セミナー」に参加し、赤羽雄二氏の講演を聞いてきました。
赤羽氏はコンサルティング会社マッキンゼーで14年間、企業の経営革新、新事業創造に取り組んでこられ、2002年に「日本発の世界的ベンチャー」を生み出し育てることを使命とするブレークスルーパートナーズ株式会社を創業された方です。2014年発行の『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』は8万部のベストセラーになっています。
講演は、日本企業がなぜ弱体化してきたかという話から始まりました。
「日本の強みといえばものづくりだったが、ロボット技術の進化により匠の技が通用する分野は袋小路に入っている」
「世界的な産業構造の変化に対して、韓国、台湾、中国、インドはその波に乗ったのに、日本企業はそこに飛び乗る気がほとんどなかった」
「今の時代は付加価値の大半がIT、インターネット、プラットフォームに移っているのに、大半の日本企業は新しい付加価値を生み出せないままでいる」
「こうした状況を打破するには根本的な経営革新をすべきで、新事業プロジェクトの立ち上げを5〜10本同時並行して進めるくらいのスピード感がどうしても必要」
「経営革新をやり切るためには、意思決定の強さと速さが必要で、それらを実行できるリーダーシップが求められている」
…といった具合です。
講演の後半では、リーダーシップを発揮するための具体的なノウハウ、そしてゼロ秒思考ができるようになるための「メモ書き」について詳しく話されました。問題把握・解決力を鍛えるには手書きのメモ書きが有効なのだそうです。具体的な方法はこうです。
- A4サイズ白紙を横置きし、左上にタイトル、右上に日付を書く
- タイトルは、その時考えていること、次にやるべきこと、疑問点など
- タイトルを書いたら、それに対して頭に浮かんだことを1行20〜30文字程度で、4〜6行書き出す
- 1枚当りに掛ける時間は1分
- 必ず1件1枚にすること
- これを毎日10分、つまり毎日10枚書き出す
- 書いた紙はテーマ別にクリアフォルダで整理し3ヵ月、6ヵ月後に見直す
- ノートやPCではダメで、A4の紙に手書きで行うこと
- 1枚書くのに2、3分掛けるのもNG
この習慣を続けることで、迷いが大幅に解消し、自信が生まれ、頭が整理され、優先順位が明確になり、アクションが早くなるのだそうです。ここまでメリットがあるならやってみたくなりますよね。
↑手書きメモのメソッドはこちらの本に詳しく書かれてあります。
↑赤羽流マネジメントの本。1人でも部下がいたら参考になります。
実は私も昨年末から、毎日与えられる課題に手書きで考えをまとめるという習慣を続けていますが、この1分間手書きメモも取り入れてみようかと思います。
それにしても、前回は手書き日報、今回は手書きメモと、最近自分の関心が「手書き」に向いています。
私がニュースレターの仕事をする際も、制作段階ではパソコンにキーボードで打ち込みますが、制作にとりかかる前の企画段階、アイデアを出す作業はやはり手書きです。発想したことを落書きのように自由に書き出すのには、手書きに優るものはありません。ただ、あまりにも字が汚すぎて後で読めないことも…(泣)。
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