緊急事態宣言以降、初めて在宅ワーク中心の生活になった方も多いのではないでしょうか? 私の場合、起業した時からずっと自宅兼事務所なので、在宅勤務状態が14年間続いているようなものです。今回もあまり変化はありませんでした(さすがに取材にはZOOMを使う機会が増えましたが)。私の周囲では、環境の変化になじめず、生産性が落ちたという声も聞きます。そんな方に少しでもお役に立てば良いかな、と思い、安宅和人(あたかかずと)さんの著作『イシューからはじめよ』のなかからいくつか紹介します。
生産性とは
安宅氏の生産性の定義はとても簡単です。「どれだけのインプット(投下した労力と時間)で、どれだけのアウトプット(成果)を生み出せたか」で、下の式のようになります。この式だけを見ると「インプットを減らしてアウトプットを増やせばいいんですね」となりますが、実はそこに落とし穴があります。安宅氏は「アウトプット自体が『意味(=バリュー)のある仕事』なのかをまず問うべきだ」と言っています。
意味のある仕事とは
この本ではここから急に難しくなるのですが、安宅氏の定義によれば「意味のある仕事とは、自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ(=イシュー度)と、課題の質に対してどこまで明確に答えを出せているかの度合い(=解の質)の両面とも高いもの」となります。図の右上の部分がそれに当たります。
自分が抱えている多くの問題の中で、まずはどの問題がイシュー度が高く、どれが低いかを見極めることが先だということです。
そして解の質を上げる方法についてですが、ここからは問題解決ツール(フレームワークやMICE等)を使う場面になります。この本ではここにはあまり触れていませんが、世の中には数多くの問題解決ツールや書籍があるので、それらを利用することになります。大切なのは「自分が取り組むべき本当の問題は何か」を明確にすることです。その問題が解決すれば、生産性はおのずと上がるに違いありません。
コメント
[…] 前回取り上げた本『イシューからはじめよ』のテーマは、「自分が取り組むべき本当の問題は何かを明確にすること」でした。では、その問題が明らかになったとして、どのように解決 […]