このコーナーでは、株式会社ラクパのライター・城戸あづさが、心に留めておきたい言葉とのエピソードを綴ります。
「どうせやるなら、きつさを愉しめ。」
某水泳コーチ
緊急事態宣言から2カ月間閉まっていたスイミングスクールが再開しました。館内各所に消毒液、検温と2時間以内の滞在制限、ドライヤーは使用不可。ビニール製のマスクを付けたコーチが呼びかけます。「このスクールから一人も感染者を出さないように、もう閉館にならないように、皆で頑張りましょう!」…このベテランコーチは士気を高めるのが上手。選手指導にも定評があり、教え子が東京五輪を狙っています。
そのコーチがトレーニング前に言ったセリフ。「泳ぎ始めて2週間。まだ身体がきついでしょう。でも、やらされる練習ほどきつさは増します。どうせやるなら、そのきつさを愉しみましょう。それが上達に繋がります」…この一言が、尻込みしていた私たちをやる気にさせたのでした。
スイミングスクールのスタッフもきつい毎日だと思います。幼児に手指消毒やソーシャルディスタンスを守らせるのに付きっきりです。ビニールマスクでのレッスンでコーチは声が枯れてきました。ただ、誰もが活き活きとして愉しそうなのです。また仕事ができる喜びや遣り甲斐が、傍で見る者にも伝わってきます。
また世の中が動き始めました。元には戻れないし、辛抱することも増えるでしょうが“どうせやるなら全てを愉しむ”姿勢が、新たな時代を創るのかな、と思います。(あづさ)
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