このコーナーでは映画館通いが趣味のソノショーがお勧めの作品を紹介します。
今回の作品は、脚本、演出、演技の三拍子揃った1958年公開の法廷映画の傑作『情婦』です。
<あらすじ> 舞台は1952年のロンドン。心臓を患い、看護師に付き添われてようやく退院してきた老弁護士ウィルフリッド卿(チャールズ・ロートン)。彼のもとに、未亡人殺しの容疑者レナード・ヴォール(タイロン・パワー)の弁護依頼が来る。しかし、肝心のアリバイを証明できるのは彼の妻(マレーネ・ディートリヒ)のみで、裁判の形勢はかなり不利。ところが、裁判が開廷し?検察側の証人?として法廷に立ったクリスティーネから、思いもしない証言が発せられたのだった…。
<見どころ> 私の好きな脚本・演出家の三谷幸喜が、最も尊敬する映画監督に挙げているのがビリー・ワイルダー。そのワイルダー監督が撮った法廷サスペンスです。殺人の容疑がかかった裁判というせっぱ詰まった状況なのに、いや、そんな状況だからこそ笑えてしまう小ネタが満載。まるで三谷作品を観ているような演出があちこちに。こう書くとまるでコメディ映画のようですが、原作は、アガサ・クリスティが自身の短編小説を基に戯曲化した舞台『検察側の証人』。このタイトルをそのまま使えば良かったのに、なぜ邦題は『情婦』なんだ〜(笑)。
[char no=”2″ char=”S.Sonoda”]「邦題があまりにも原題と違うのは、どうにかして欲しい…。ま、ごく稀に邦題のほうが良いと思うこともありますが。」[/char]
『情婦』
原題:「Witness for the Prosecution」
監督:ビリー・ワイルダー
脚本:ビリー・ワイルダー/ハリー・カーニッツ
原作:アガサ・クリスティ『検察側の証人』
出演者:タイロン・パワー/チャールズ・ロートン/マレーネ・ディートリヒほか
上映時間:116分
製作国:米国
日本公開:1958年3月
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