ロープ1本から見えてくる戦争の不条理さー『ロープ -戦場の生命線』

このコーナーでは経営や生き方のヒントになるような映画を紹介しています。今回は、映紛争地帯で奔走する国際援助活動家たちを描いた『ロープ 戦場の生命線』です。

『ロープ 戦場の生命線』

A Perfect Day

<あらすじ>舞台は1995年のバルカン半島。紛争が続いたこの地は停戦状態にあったが、ある村で井戸に死体が投げ込まれて水が使えなくなってしまう。マンブルゥ(ベニチオ・デル・トロ)率いる国際活動家グループ「国境なき水と衛生管理団」は村に赴き、死体を引き上げようとするものの、ロープが切れてしまう。彼らは一本のロープを探しに出かけるが、そのためには武装集団が待ち受け、地雷が埋まる危険地帯をくぐり抜けなければならない。さらにマンブルゥの元恋人カティヤ(オルガ・キュリレンコ)や、不良らに絡まれていた村の少年も加わって…。

<コメント> 久々にスペイン映画を観ました。私が良く観るハリウッド映画はジャンル分けしやすいものが多いのですが、この映画は戦争を扱ったドラマでありながら、随所にユーモアがあり、社会風刺が効いて、ひとつのジャンルには括れない印象です。

戦争映画といっても、銃撃や爆破シーンは皆無。それでも民族紛争がいかに不条理か、民族が違うとか、宗教が違うからといった争いがいかに無益かが伝わってきます。ロープ1本を巡る話で、これだけの物語が作れるというのはすごいと思います。

映画の舞台となった戦争は、映画内では明言されていませんが、ユーゴスラビア紛争と思われます。私たちは安全な日本で暮らしており、ユーゴスラビア紛争がどのようなものかはニュースを通じてしか知りえません。この映画はフィクションとはいえ、おそらく同じようなことがきっと繰り広げられているのでしょう。このような映画によって、多くの人に紛争地帯の状況を知らしめることができるのは、映画の意義のひとつだと思います。

マリリン・マンソンやルー・リードなどのサウンドトラックが各シーンにハマっています。(正)

  • 『ロープ 戦場の生命線』
  • 原題:A Perfect Day
  • 監督:フェルナンド・レオン・デ・アラノア
  • 出演者:ベニチオ・デル・トロ、オルガ・キュリレンコ、ティム・ロビンスほか
  • 上映時間:106分
  • 製作国:スペイン
  • 日本公開:2018年2月

この記事を書いた人
sonosho

株式会社ラクパ代表取締役。中小企業の顧客づくり支援家。【経歴】プログラマー5年、タウン情報誌編集者15年を経て、2006年に起業。2016年に法人化。主事業はニュースレター作成代行サービス。東証プライム上場企業から個人事業主まで延べ1,149号の制作実績(2024年2月現在)。近年はサイト制作にも注力。

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