「功名心が出てくると、絶対思い切ったことができない。」

このコーナーでは、株式会社ラクパのライター・城戸あづさが、心に留めておきたい言葉とのエピソードを綴ります。

功名心

「功名心が出てくると、絶対思い切ったことができない。」

─大林組 田辺潔さん

【功名】手柄を立てて、名誉を手に入れること。また、その手柄。

先日のNHK『新プロジェクトX』で、東京スカイツリーの建設に携わった人々が紹介されました。業界の誰もが尻込みした、世界一高い自立式電波塔の建設。田辺さんはその施工技術と計画を任された時、決意します。

「我々は組織人だから(自分の)先のことを考える。そういう功名心みたいなものが出てくると、絶対に思い切ったことができない。ただ純粋に?どうやったらできるだろう?だけを追い求めよう。」

手柄を求める心を捨てて仕事に徹すると決めたのは、田辺さんだけでなく、現場の職人たちも同じでした。プライドを捨て、ライバル会社の職人に技術を教わり、協力体制が出来上がっていきます。やがて、東日本大震災にも身を呈して塔の安全を守る、プロ集団へと成長しました。カリスマ鳶職人の森川哲治さんは当時を「関わる人たちの気持ちのレベルが高かった」と振り返ります。スカイツリーの完成は「良いものを造りたい」という思いで繋がった、皆の功績なのですね。

我が家の息子2人も社会人になり、組織の中で鍛えられている様子。自分の手柄を求めるより、純粋に仕事に徹してほしいと願っています。自分が納得できた仕事より嬉しいものはないと思うから。

この記事を書いた人
Azusa

株式会社ラクパ専属ライター。タウン誌≪シティ情報ふくおか≫編集者として、特集のほか、地元のテレビ番組・お笑い・祭りのページなどを担当。地域色豊かな誌面作りを目指す。2006年、ニュースレター作成代行「ラクパ」のライターとして活動開始。クライアントの個性を活かし、顧客づくりのための原稿を執筆中。趣味は競泳、専門種目はクロール。マスターズ大会での自己ベスト更新を夢見て、仕事と家事の合間にトレーニングに励む毎日。

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