制約の中でいかに笑わせるか。―『笑の大学』

このコーナーでは経営や生き方のヒントになるような映画を紹介しています。今回紹介するのは、喜劇作家と検閲官の笑いをめぐる攻防を描いたコメディ『笑の大学』です。

『笑の大学』

Warai no Daigaku

<あらすじ> 昭和15年、第二次世界大戦開戦間近の東京。大衆娯楽である演劇は規制下にあり、上演前に警察の検閲を受けなければならなかった。浅草の劇団「笑の大学」の座付作家・椿一は、自分が書いた台本『ジュリオとロミエット』の検閲を受けるために警視庁を訪れる。そこで出会った検閲官・向坂は、笑いに対する理解がまったく無く、今回の台本も上演禁止に持ち込もうと、無理な台本直しを繰り返すのだった…。

<コメント>今月のもう1つの投稿が「制約を乗り越えていかにアイデアを出していくか」というテーマでしたので、映画もそれに沿ったものをピックアップしました。私の大好きな喜劇作家・三谷幸喜原作・脚本による作品です。舞台での二人劇を基にした作品なので、映画も取り調べ室での二人の掛け合いを中心に進行していきます。


映画の見どころは、向坂が課してくる台本直しの無理難題に対して、椿がどのように台本を書き直し、更に上をいく笑いに変えてしまうか、というところ。笑いとは不要不急のものと設定しながら、いかに私たちに不可欠なものかを訴えかけてくる、三谷幸喜の笑いへの愛が詰まった作品です。

コロナ禍の今こそ、この映画のテーマには深い意味を感じます。

『笑の大学』には、ラジオドラマ版・舞台版・映画版の3バージョンが存在します。今回は入手しやすい映画版のほうをメインに紹介しました。舞台版はキャストが2人(向坂役を西村雅彦、椿役を近藤芳正が好演!)で場面も取調室のみという、完全な密室劇・二人芝居となっており、舞台ならではの面白さが詰まっています。1998年のPARCO劇場での再演を収録したDVDはすでに絶版ですが、ネット上で中古版は入手できます。観られる機会があれば、ぜひ!

この記事を書いた人
sonosho

株式会社ラクパ代表取締役。中小企業の顧客づくり支援家。【経歴】プログラマー5年、タウン情報誌編集者15年を経て、2006年に起業。2016年に法人化。主事業はニュースレター作成代行サービス。東証プライム上場企業から個人事業主まで延べ1,149号の制作実績(2024年2月現在)。近年はサイト制作にも注力。

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